「今すぐ困っているわけではないから」と実家じまいを先送りにすると、その負担は次の世代に引き継がれていきます。
「今すぐ困っているわけではないから」と実家じまいを先送りにすると、その負担は次の世代に引き継がれていきます。実家じまいを誰かが判断しないまま相続が繰り返されると、名義人(相続人)がどんどん増え、実家の扱いを決めること自体が難しくなっていきます。

世代を越えて放置されるとどうなるか
相続登記をしないまま次の相続が発生すると、相続人の数が枝分かれのように増えていきます。例えば、当初は子ども2人だった相続人が、その子どもたち(孫世代)まで含めると数人〜十数人に膨れ上がることもあります。
この状態になると、実家を売却するにも、全相続人の同意(遺産分割協議)が必要になり、中には面識のない遠い親族が含まれることもあります。連絡を取ること自体が大きな負担になり、実質的に「動かせない不動産」になってしまうケースも見られます。戸籍を辿って相続人を確定させるだけでも、専門家に依頼して数ヶ月かかることも珍しくありません。
次世代の負担を減らすためにできること
今の世代で実家じまいの方向性を決めておくことは、次世代への大きな贈り物にもなります。
- 相続が発生したら、早めに相続登記を済ませる
- 「残す」を選ぶ場合も、管理体制と将来的な方針を明確にしておく
- 遺言書や家族信託を活用し、次世代が迷わない形を作っておく

「今の自分たちの代で、ある程度の方向性を決めておく」という意識が、将来の家族の負担を大きく左右します。特に、遺言書で実家の承継先をあらかじめ指定しておけば、相続発生後の遺産分割協議が不要になり、手続きがスムーズに進みます。
相続人が増えて動けなくなった例
3世代にわたって相続登記がされていなかった土地について相談を受けたケースでは、最終的な相続人が20人近くにのぼり、そのうち数人とは全く面識がない状態でした。全員の同意を得るまでに1年以上を要し、途中で亡くなる方が出れば、さらに相続人が増えるという状況でした。
こうした事態を防ぐには、各世代で相続が発生した時点で登記を済ませておくことが何より重要です。今の代で対応しておくことが、次の世代への一番の備えになります。
よくある質問
Q. すでに相続人が多数になってしまった不動産は、どうすればいいですか?
A. まずは相続人を確定させるための戸籍調査から始めます。そのうえで、遺産分割協議の進め方を検討します。時間はかかりますが、順を追って進めることは可能です。
Q. 遺言書があれば、相続登記の義務化には影響しませんか?
A. 遺言書があっても、相続による所有権の取得には変わりないため、相続登記の義務自体は生じます。ただし、遺産分割協議が不要になる分、手続きはスムーズに進みやすくなります。
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せと行政書士事務所ができること
相続人の調査や遺産分割協議書の作成、遺言書の準備まで、次世代に負担を残さないための整理をサポートします。
まとめ
空き家を放置したまま相続を重ねると、相続人が増え続け、いずれ身動きが取れない不動産になってしまう可能性があります。今の世代で相続登記や方向性の整理を済ませておくことが、次世代への何よりの備えになります。「自分たちの代でひと区切りつける」という意識を持つことが大切です。
このシリーズ「実家じまい」(全18本)の 14 本目です
前の記事:家族信託で実家じまいの選択肢を増やす方法
執筆者:せと行政書士事務所 代表 瀬戸孝之(行政書士・CFP・1級FP技能士・宅地建物取引士・家族信託専門士)
投稿者プロフィール

- 資産トータルアドバイザー
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せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。
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