実家の名義が、亡くなった祖父母のままになっている——そんなケースは珍しくありません。

実家の名義が、亡くなった祖父母のままになっている——そんなケースは珍しくありません。相続が発生しても、実家の名義変更(相続登記)をせずにそのままにしているケースは、これまで多く見られました。しかし、相続登記の義務化により、状況が変わりつつあります。

誰も住まない実家のイメージ

相続登記が義務化された背景

相続登記をしないまま世代交代が進むと、名義人が誰か分からなくなり、実家を売却・活用しようにも身動きが取れなくなります。こうした「所有者不明土地」の増加が社会問題となり、相続登記の義務化につながりました。

不動産を相続で取得したことを知った日から一定期間内に相続登記をしないと、正当な理由がない場合、過料の対象になる可能性があります。また、この義務化は施行日より前に発生していた相続にも適用され、一定の猶予期間内に登記が必要とされています。具体的な期限や過料の要件、経過措置の適用可否については、司法書士・法務局へのご確認をおすすめします。

名義変更を放置すると起きること

相続登記を放置すると、次のような不都合が生じます。

  • 実家を売却・賃貸したいと思っても、名義変更が先に必要になる
  • 相続人がさらに亡くなり、次の相続が発生すると、関係者がどんどん増えて手続きが複雑になる
  • 相続人の一人が認知症になると、遺産分割協議自体が難しくなる
  • 金融機関からの融資(実家を担保にした借入など)が受けにくくなる
実家の名義変更のイメージ

「まだ売る予定はないから」と後回しにしていると、いざ必要になったときに、想定より大掛かりな手続きが必要になることがあります。相続人が数世代にわたって増えてしまったケースでは、戸籍の収集だけで数ヶ月かかることもあります。早めに手をつけておくほど、後の負担は軽くなります。

相続登記に必要な主な書類

相続登記には、一般的に次のような書類が必要となります。

  • 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの戸籍謄本一式
  • 相続人全員の戸籍謄本・住民票
  • 遺産分割協議書(相続人全員の実印・印鑑証明書)
  • 固定資産評価証明書

これらの書類収集は手間がかかる部分でもあるため、専門家に依頼することで負担を減らせます。

相続登記を後回しにして苦労した例

祖父の代から相続登記がされていなかった土地について、いざ売却しようとした際に、相続人が10人以上に増えていることが判明したケースがありました。中には連絡先が分からない相続人もおり、戸籍を辿って所在を確認するだけで数ヶ月を要しました。

結果的には全員の同意を得て手続きを完了できましたが、「もっと早い段階で登記をしておけば、ここまで手間がかからなかった」というのが、当事者の実感でした。相続が発生した際は、たとえすぐに活用予定がなくても、早めに登記を済ませておくことが、将来の負担を大きく左右します。

よくある質問

Q. 相続登記をしないとどんな罰則がありますか?

A. 正当な理由なく期限内に登記をしない場合、過料の対象になる可能性があります。具体的な金額や要件は法務局・司法書士にご確認ください。

Q. 相続人が多数いて連絡が取れない人がいます。どうすればいいですか?

A. 戸籍を辿って所在を確認する方法があります。それでも連絡が取れない場合の対応方法もありますので、まずは状況をご相談ください。


せと行政書士事務所ができること

相続登記そのものは司法書士の専門分野ですが、その前提となる遺産分割協議書の作成や、相続人・財産の整理については、せと行政書士事務所でサポートできます。連携先の司法書士とともに、スムーズな手続きをご案内します。

まとめ

相続登記の放置は、世代を重ねるほど相続人が増え、手続きの難易度を大きく上げてしまいます。義務化された今、正当な理由なく放置すると過料の対象になる可能性もあるため、相続が発生したら早めに登記を済ませることが重要です。書類収集など手間のかかる部分は、専門家に依頼することで負担を減らせます。

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執筆者:せと行政書士事務所 代表 瀬戸孝之(行政書士・CFP・FP1級技能士・宅地建物取引士・家族信託専門士)

投稿者プロフィール

瀬戸 孝之
瀬戸 孝之資産トータルアドバイザー
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。