
「老後2,000万円問題」という言葉が独り歩きしていますが、必要な金額は家庭ごとにまったく異なります。本コラムでは、夫婦二人世帯を例に、老後資金の考え方を解説します。
「いくら必要か」は3つの要素で決まる
- 毎月の生活費(基本生活費+ゆとり費)
- 年金等の収入(公的年金・企業年金など)
- 老後の期間(何歳まで生きるかの想定)
これらを掛け合わせて、「支出−収入」の不足分×老後期間が、準備すべき目安額になります。
見落としがちな支出項目
- 医療費・介護費用(年齢とともに増加する傾向)
- 住宅リフォーム・修繕費
- 車の買い替え費用
- 冠婚葬祭費
- 趣味・旅行などのゆとり費
「毎月の生活費」だけで試算し、これらの一時的な支出を見落とすケースが多く見られます。

なぜ「一般論」の金額があてにならないのか
- 持ち家か賃貸かで、住居費が大きく異なる
- 年金受給額は、働き方・加入期間によって一人ひとり違う
- 健康状態によって、医療・介護費用の見込みが変わる
- 退職金の有無・金額も家庭ごとに異なる
平均値ではなく、「我が家の場合」を試算することが本当に意味のある対策です。
シミュレーションで分かること
- 何歳の時点で資金がショートする可能性があるか
- 年金の受給開始時期を変えると、収支がどう変わるか
- 退職金・保有資産の取り崩し方によって、資金がどれだけ長持ちするか
- 今のうちに準備しておくべき金額の目安
「ゆとりある老後生活費」の考え方
公的な調査等では、夫婦二人世帯の最低日常生活費に加えて、旅行・趣味等の「ゆとり費」を上乗せした金額が目安として示されることがありますが、これはあくまで平均値です。持ち家か賃貸か、趣味にお金をかけたいか等、家庭ごとの価値観によって必要額は大きく変わります。
シミュレーションを定期的に見直す重要性
一度シミュレーションをして終わりではなく、年金額の確定、退職金の受取、健康状態の変化などのタイミングで見直すことが大切です。特に60代前半は、年金の受給開始時期の選択など、数年単位で状況が大きく変わる時期にあたるため、定期的な確認をおすすめします。
シミュレーションに必要な情報の集め方
- 「ねんきん定期便」で将来の年金見込み額を確認する
- 現在の家計簿・通帳から、毎月の支出を把握する
- 退職金の見込み額を勤務先に確認する(制度がある場合)
- 保有資産(預貯金・保険・不動産)を一覧化する
これらの情報がすべて揃っていなくても、分かる範囲から始めて、少しずつ精度を上げていくことで十分に役立つシミュレーションが作成できます。
「不安の正体」を具体化する効果
老後資金への不安の多くは、「いくら必要か分からない」という漠然とした不安から来ています。シミュレーションによって数字が可視化されるだけで、不安が「対処可能な課題」に変わるという心理的な効果も大きなメリットです。

よくある質問
Q. 何歳から老後資金の準備を始めるべきですか?
A. 早いほど選択肢が広がりますが、50代・60代からでも、支出の見直しや退職金の使い方の工夫で十分に対策は可能です。まずは現状把握から始めることが重要です。
Q. シミュレーションにはどんな情報が必要ですか?
A. 現在の資産・収入(年金見込み額含む)・毎月の支出・退職金の見込み額などが必要です。分かる範囲からで構いません。
せと行政書士事務所ができること
せと行政書士事務所では、ご夫婦の収入・支出・資産をもとにしたライフプランシミュレーションを作成しています。「漠然とした不安を数字にしたい」という方は、まず30分の無料相談からお試しください。
執筆者:せと行政書士事務所 代表 瀬戸孝之(行政書士・CFP・FP1級技能士・宅地建物取引士・家族信託専門士)
投稿者プロフィール

- 資産トータルアドバイザー
-
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。
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