「親はまだ元気だから、実家のことは後で考えよう」——多くの方がそう考え、実際に先送りにしています。
「親はまだ元気だから、実家のことは後で考えよう」——多くの方がそう考え、実際に先送りにしています。「まだ元気だから」という判断そのものは自然なことです。ただ、実家じまいに関しては、この先送りが後になって選択肢を狭めてしまうことがあります。

先送りにしたことで起きやすいこと
実家じまいの相談でよく耳にするのは、次のようなパターンです。
- 「そろそろ考えよう」と思っていた矢先に、親が入院・認知症の診断を受けた
- 実家について何も決めないまま親が亡くなり、きょうだい間で急に方針を決めなければならなくなった
- 空き家のまま数年放置しているうちに、家の傷みが進み、売却査定額が下がっていた
これらは決して珍しいケースではなく、「たまたま運が悪かった」というより、多くの家庭で起こり得ることです。人の判断能力や健康状態は、本人にも家族にも予測しきれない形で変化することがあるからです。
先送りにしないための、小さな一歩
大切なのは、「今すぐ全部決める」ことではありません。「まだ結論は出さなくていいけれど、話し合いだけは始めておく」という小さな一歩が、後の選択肢を守ることにつながります。
- 実家の名義・状態を確認しておく
- 親自身の希望を、一度だけでも聞いておく
- きょうだいと、方向性についての考えを共有しておく

「話し合いを始める」ことと「結論を出す」ことは、別のプロセスです。この違いを家族で共有しておくだけでも、話し合いへの心理的なハードルはぐっと下がります。年末年始や帰省のタイミングなど、家族が集まる機会を活用するのも一つの方法です。
先延ばしにしなかったことで安心につながった例
「親がまだ元気なうちに」と、実家についての話し合いを早めに始めたご家族では、数年後に親が入院した際も、あらかじめ共有していた方針に沿って落ち着いて対応できたといいます。「あのとき話しておいてよかった」という声を、こうしたご家族から何度もいただいています。
反対に、何も話し合っていなかったご家族では、突然の入院や診断をきっかけに、短期間で重要な判断を迫られ、精神的な負担が大きくなる傾向があります。早めの一歩が、いざというときの安心につながります。
よくある質問
Q. 親に実家の話を切り出すと、嫌がられないでしょうか?
A. 「実家をどうにかしたい」という切り出し方より、「これからも安心して過ごせるように、一緒に考えたい」という伝え方の方が、受け止めてもらいやすい傾向があります。
Q. 話し合いのきっかけがつかめません。
A. 固定資産税の納税通知書が届くタイミングなど、実務的な話題から自然に切り出す方法もあります。専門家を交えることで、話しやすい場を作ることもできます。
せと行政書士事務所ができること
「まだ何も決まっていない」という段階からのご相談を歓迎しています。今の状況を整理するところから、一緒に始めましょう。
まとめ
「まだ元気だから」という先送りは自然な心理ですが、実家じまいに関しては、この先送りが選択肢を狭めてしまうことがあります。今すぐ結論を出す必要はなく、まずは話し合いを始めることから始めてみてください。その小さな一歩が、将来の安心につながります。
執筆者:せと行政書士事務所 代表 瀬戸孝之(行政書士・CFP・FP1級技能士・宅地建物取引士・家族信託専門士)
投稿者プロフィール

- 資産トータルアドバイザー
-
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。
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