
相続した実家をそのまま放置していませんか?「空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家特措法)」により、放置した空き家が固定資産税の優遇を失うケースが増えています。本コラムで詳しく解説します。
空き家特措法とは
適切に管理されていない空き家が引き起こす、倒壊・衛生・景観・防犯上の問題に対応するための法律です。市区町村が調査・指導・命令を行える仕組みが定められています。
「特定空家」に指定されるとどうなるか
放置が深刻な空き家は「特定空家等」に指定される可能性があります。指定されると、次のような措置が取られます。
- 市区町村から助言・指導、勧告、命令が段階的に行われる
- 勧告を受けると、住宅用地の固定資産税の軽減(最大1/6)が解除され、税額が大幅に上がる
- 命令に従わない場合、行政代執行により強制的に解体され、費用を請求される
「特定空家」の一歩手前である「管理不全空家」の段階でも、勧告の対象となる法改正が行われており、放置のリスクは年々高まっています。

なぜ空き家が放置されるのか
- 相続人が複数いて、誰が管理するか決まっていない
- 売却・活用の方針が決まらないまま時間が経過
- 遠方に住んでいて、現地の管理が難しい
- 相続登記(名義変更)が済んでおらず、売却したくてもできない
今からできる対策
- 「売る・貸す・残す」の方向性を早めに決める
- 活用予定がなければ、早期の売却を検討する
- 当面活用しない場合も、定期的な管理(通気・草刈り等)を怠らない
- 相続人間で管理責任の所在を明確にしておく
2023年改正で新設された「管理不全空家」
2023年12月施行の改正法により、特定空家になる前段階の「管理不全空家」という区分が新設されました。これにより、これまでは特定空家に指定されるまで是正を求められなかったケースでも、より早い段階で市区町村から指導・勧告を受けるようになっています。勧告を受けると、特定空家と同様に固定資産税の軽減特例が解除されます。
空き家に関する他の制度との関係
2024年4月から相続登記の申請が義務化されており、正当な理由なく登記を怠ると10万円以下の過料の対象になります。空き家対策と相続登記義務化は連動しており、「名義変更をしないまま放置する」こと自体のリスクが年々高まっている状況です。譲渡所得税の特例(被相続人の居住用財産を売った場合の3,000万円控除)など、早期売却を後押しする税制もあわせて確認しておくとよいでしょう。
空き家の活用という選択肢
売却が難しい立地でも、空き家バンクへの登録、賃貸への転用、解体して更地として活用するなど、複数の選択肢があります。自治体によっては空き家の解体費用や活用改修費用に対する補助金が用意されていることもあり、事前に確認する価値があります。
相続人全員の合意形成が前提
空き家が共有名義になっている場合、売却・活用のいずれを選ぶにも相続人全員の同意が必要です。方向性がまとまらないまま放置される空き家が多いのが実情であり、早期に話し合いの場を持つこと自体が最大の対策といえます。

よくある質問
Q. 遠方に住んでいて管理ができません。どうすればいいですか?
A. 空き家管理サービスの利用や、早期売却の検討をおすすめします。管理できない状態を放置するほど、特定空家指定のリスクが高まります。
Q. まだ相続登記が済んでいません。売却できますか?
A. 相続登記(名義変更)が完了していないと、原則として売却できません。登記手続きは司法書士の専門領域となるため、必要に応じて連携してご案内します。
せと行政書士事務所ができること
せと行政書士事務所では、実家の「売る・貸す・残す」の方向性整理、不動産売却・活用のご提案を行っています。司法書士と連携し、登記手続きまで含めてトータルでサポートします。
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執筆者:せと行政書士事務所 代表 瀬戸孝之(行政書士・CFP・FP1級技能士・宅地建物取引士・家族信託専門士)
投稿者プロフィール

- 資産トータルアドバイザー
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せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。
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