
「息子に会社を継がせたいが、何から準備すればいいか分からない」――。個人事業主・中小企業オーナーから多い相談です。本コラムでは、事業承継における行政書士の役割を解説します。
事業承継で検討すべき3つの側面
- 経営(誰が後継者として経営を引き継ぐか)
- 資産(自社株式・事業用資産をどう承継させるか)
- 法務(許認可の引き継ぎ、契約関係の整理)
税務・法務・経営、それぞれの専門家が連携して進めるのが一般的です。
行政書士が関わる代表的な業務
1. 許認可の承継手続き
建設業・飲食業など、許認可が必要な事業では、承継の際に改めて許可を取り直す、または承継の届出が必要になる場合があります。この手続きは行政書士の専門領域です。
2. 遺言書・家族信託の設計
自社株式や事業用不動産を後継者に確実に承継させるため、遺言や家族信託を組み合わせて設計します。他の相続人との遺留分のバランスも考慮が必要です。
3. 契約書・定款の整備
事業譲渡契約書、株主間契約、定款変更など、承継に伴う各種書類の作成を行います。

こんなケースは要注意
- 自社株式が分散し、経営権が不安定になっている
- 後継者以外の相続人にも事業用資産の相続権があり、会社の資産が分散するリスクがある
- 個人の借入に対して経営者保証がついたままになっている
相続の一般的な対策だけでは、事業承継特有のリスクをカバーしきれない点に注意が必要です。
経営者保証の扱いに注意
個人事業主や中小企業オーナーは、金融機関からの借入に個人保証(経営者保証)を付けていることが多くあります。事業承継の際、この保証を後継者へ引き継ぐか、金融機関と交渉して解除するかを検討する必要があります。放置すると、先代が亡くなった後も保証債務が相続人全員に及ぶリスクがあります。
許認可承継の具体例
建設業許可・飲食店営業許可・宅地建物取引業免許など、事業の種類によって承継時の手続きが異なります。個人事業を法人化するタイミングで許認可の取り直しが必要になることもあり、事業の継続に空白期間が生じないよう、早めのスケジュール管理が欠かせません。
事業承継税制の活用検討
非上場株式等について、一定要件を満たせば贈与税・相続税の納税を猶予・免除できる「事業承継税制」があります。適用のハードルは高く、都道府県知事の認定や継続的な報告義務が伴うため、税理士と連携した綿密な事前検討が欠かせません。
親族外承継(M&A)という選択肢
後継者が親族にいない場合、従業員承継や第三者へのM&Aによる事業承継も近年増えています。いずれの場合も、会社の資産・負債・契約関係を整理しておくことが、スムーズな引き継ぎの前提になります。
早期の準備が選択肢を広げる
事業承継は準備に5年から10年単位の時間がかかると言われています。後継者の育成、株式の整理、許認可の確認など、やるべきことは多岐にわたるため、「まだ早い」と感じる段階から着手することが、結果的に選べる選択肢を広げることにつながります。

よくある質問
Q. 事業承継税制は使えますか?
A. 一定の要件を満たせば、自社株式等の贈与税・相続税の納税猶予・免除制度を利用できる場合があります。適用要件の判断は税理士との連携が必要です。
Q. 後継者がまだ決まっていません。何から始めればいいですか?
A. まずは会社の資産・負債・株主構成を整理し、承継の選択肢(親族内承継・従業員承継・M&A)を検討することから始めます。
せと行政書士事務所ができること
せと行政書士事務所では、許認可の承継手続き、遺言・家族信託を活用した株式承継の設計をサポートしています。税理士・司法書士とも連携し、総合的な事業承継をご支援します。
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執筆者:せと行政書士事務所 代表 瀬戸孝之(行政書士・CFP・FP1級技能士・宅地建物取引士・家族信託専門士)
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投稿者プロフィール

- 資産トータルアドバイザー
-
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。
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