ご家族と専門家が相談するシーン

「悲しむ間もなく、片付けと手続きに追われた」――。遺品整理を経験した多くの方が口にする言葉です。本コラムでは、遺品整理で家族が直面しやすい問題と、その備え方を解説します。


遺品整理で発生する「お金」の問題

  • 賃貸住宅の場合、退去までの家賃が発生し続ける
  • 持ち家の場合、固定資産税・管理費用が相続人にのしかかる
  • 遺品整理業者への依頼費用(数万円〜数十万円)
  • 不用品処分費用、特殊清掃が必要なケースも

「片付けにかかる費用を誰が負担するか」で、相続人間の話し合いが必要になることも少なくありません。


遺品整理で発生する「手続き」の問題

  • 賃貸借契約の解約手続き
  • 公共料金・NHK受信契約等の解約
  • 重要書類(通帳・保険証券・権利証等)の選別
  • 形見分けの範囲・分配を巡る調整

特に「相続財産」と「単なる遺品」の区別がつかないまま処分してしまうと、後から必要な書類が見つからず苦労するケースがあります。

家計簿と電卓で計算するイメージ

トラブルを防ぐための進め方

1. すぐに処分せず、重要書類から確認する

通帳・保険証券・不動産の権利証・遺言書の有無など、相続手続きに必要な書類を最初に確認します。

2. 相続人全員で費用負担・形見分けのルールを共有する

誰か一人が勝手に処分・分配を進めると、後からトラブルになりやすいため、事前に共有しておきます。

3. 賃貸契約は早めに動く

家賃の発生を止めるため、解約に必要な相続人の同意・書類を早期に整理します。



相続財産と遺品の見分け方

通帳・保険証券・不動産の権利証・有価証券・貴金属などは明確な相続財産ですが、日用品や家具・衣類などは財産的価値がほとんどない「遺品」として扱われることが一般的です。ただし、骨董品や美術品など高額査定が付く可能性のあるものは、慎重に扱う必要があります。

賃貸住宅における実務上の流れ

  1. 大家・管理会社へ死亡の連絡をする
  2. 相続人代表を決め、解約手続きの窓口を一本化する
  3. 残置物の確認・搬出のスケジュールを調整する
  4. 敷金精算・原状回復費用の確認を行う

相続人全員の同意を得てから解約するのが原則ですが、緊急性が高い場合は、事前に他の相続人へ状況を共有した上で代表者が動くケースもあります。


特殊清掃が必要になるケース

孤独死等により発見が遅れた場合、通常の清掃では対応できず、専門の特殊清掃業者への依頼が必要になることがあります。費用は状況によって数十万円規模になることもあり、相続財産の中からその費用を賄えるかも含めて、早めに専門家に相談することをおすすめします。

遺品整理と相続放棄のタイミング

相続放棄を検討している場合、遺品に手をつける前に必ず専門家に確認することが重要です。経済的価値のあるものを処分・売却してしまうと、単純承認とみなされ放棄できなくなるリスクがあるためです。

相続問題と木の家の模型

よくある質問

Q. 遺品を処分すると、相続放棄できなくなりますか?

A. 経済的価値のある遺品を処分・売却すると「単純承認」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。放棄を検討している場合は、遺品に手をつける前に専門家へご相談ください。

Q. 遺品整理業者はどう選べばいいですか?

A. 相続財産の選別を丁寧に行ってくれるか、見積もりが明確かを確認することが重要です。専門家に依頼先の相談をすることもできます。


せと行政書士事務所ができること

せと行政書士事務所では、遺品整理前の重要書類の確認、相続手続き全体の整理をサポートしています。「何から手をつければいいか分からない」という段階でも、まずはご相談ください。

執筆者:せと行政書士事務所 代表 瀬戸孝之(行政書士・CFP・FP1級技能士・宅地建物取引士・家族信託専門士)

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投稿者プロフィール

瀬戸 孝之
瀬戸 孝之資産トータルアドバイザー
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。