― 公的統計が示す深刻な相続問題 ―


日本の空き家問題は「相続」から始まっている

日本の空き家問題は、年々深刻さを増しています。
総務省の住宅・土地統計調査によると、**令和5年時点で全国の空き家数は900万戸超、空き家率は13.8%**と過去最高を記録しました。

この数字は、単なる住宅問題ではありません。
その背景には、親が空き家を残したまま亡くなり、突然「管理責任」を負うことになった家族の姿があります。


相続が生み出す「その他空き家」の急増

国土交通省の調査では、
**空き家の取得経緯の約55%が「相続」**であることが明らかになっています。

特に問題となっているのが、
**賃貸にも売却にも使われていない「その他空き家」**です。

  • 平成30年時点で 349万戸
  • 20年間で 約1.9倍
  • **昭和55年以前(旧耐震基準)**の建物が大半
  • 約101万戸が腐朽・破損あり

さらに、相続した空き家の所有者の約3割は、物件から1時間以上離れた場所に居住しています。
つまり、「行けない・管理できない実家」を抱え込む構造が、相続によって生まれているのです。


固定資産税が最大6倍になる現実

空き家を相続した家族が、まず直面するのがお金の問題です。

通常、住宅用地には固定資産税の軽減特例(6分の1)が適用されます。
しかし、令和5年12月改正の空家等対策特別措置法により、

  • 「特定空家」
  • 「管理不全空き家」

も、特例除外の対象となりました。

勧告を受けるとどうなる?

  • 住宅用地特例 解除
  • 固定資産税が最大6倍

さらに、

  • 固定資産税・都市計画税
  • 火災保険料
  • 水道光熱費
  • 管理費用

を含めると、年間35万〜50万円の維持費が発生します。


相続登記義務化が、放置を許さない

令和6年4月1日から、相続登記は義務になりました。

  • 相続を知った日から 3年以内
  • 未登記の場合、10万円以下の過料

しかもこの制度は、過去の相続にも遡及適用されます。
祖父母名義のまま放置された不動産も、令和9年3月末までに登記が必要です。

相続人が複数いる場合、
遺産分割協議・連絡調整・書類収集など、現実的な負担は非常に大きいのが実情です。


放置すると発生する「損害賠償責任」

空き家の最大のリスクは、損害賠償責任です。

民法第717条では、
工作物の瑕疵による損害は、原則として所有者が責任を負うと定められています。

想定される事例では、

  • 外壁落下による死亡事故:5,000万円超
  • 出火により隣家全焼・死亡事故:6,000万円超
  • 台風による瓦飛散・倒壊事故

など、一度の事故で人生を左右する賠償責任が発生します。


相続放棄しても、すぐに楽にはならない

「相続放棄すれば安心」と思われがちですが、
令和5年4月改正民法により、状況は変わりました。

  • 放棄時に「現に占有」している場合
  • 管理・保存義務が残る

次の相続人や、家庭裁判所選任の相続財産清算人に引き継がれるまで、
管理責任から解放されないケースもあります。

しかも清算人選任には、

  • 申立費用
  • 数十万〜数百万円の予納金

が必要となる場合もあります。


自治体は本気で空き家対策を進めている

空き家対策は、もはや「様子見」が通用しません。

  • 助言・指導:年間4,000件超
  • 勧告・命令・行政代執行も増加

自治体は、放置空き家を明確に問題視しています。


空き家を相続した家族が取れる選択肢

選択肢は一つではありません。

  • 売却
  • 賃貸
  • 解体して土地活用
  • 空き家バンク
  • 管理サービスの利用

全国の82%以上の自治体が利活用支援策を実施しています。


生前の準備こそが、家族を救う

空き家問題の本質は、生前に決めていないことです。

  • 実家をどうするのか
  • 誰が引き継ぐのか
  • 売るのか、残すのか

これを元気なうちに決めておくだけで、
相続後のトラブルと負担は劇的に減ります。


せと行政書士事務所ができること

せと行政書士事務所では、
**「空き家を残さない相続設計」**をトータルでサポートしています。

  • 不動産を含めた相続の事前整理
  • 遺言書作成サポート
  • 相続登記・名義整理の専門家連携
  • 相続放棄・財産管理に関する実務対応
  • 不動産の売却・活用を見据えた実務的アドバイス

行政書士 × 不動産 × FPの視点で、
**制度論ではなく「現実的に困らない設計」**を重視しています。


空き家・相続でお悩みの方へ

「まだ大丈夫」が、一番危険です。

空き家・実家・相続について
少しでも不安があれば、早めにご相談ください。

👉 せと行政書士事務所|
📞 06-4400-3365

投稿者プロフィール

瀬戸 孝之
瀬戸 孝之資産トータルアドバイザー
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。