――“増やす・備える・引き継ぐ”を同じ設計図に載せる理由


相続は「その日」突然やってくる

資産運用は、時間をかけてコツコツ育てるもの
一方、相続は――ある日突然発生し、しかも期限つきで手続が押し寄せる出来事です。

多くのご家庭では、

  • 相続対策=相続税を減らす話
  • 資産運用=お金を増やす話

と分けて考えられがちですが、
この分断こそが、家族を一番困らせる原因になります。

実際の相続では、

  • 「税金」
  • 「現金」
  • 「売却」
  • 「手続」

同時多発的に発生します。
結論から言えば、相続対策と資産運用は別ジャンルではなく、
👉 **人生後半の家計設計における“同一プロジェクト”**です。


① 相続には「10か月」という締切がある

――その運用、期限に耐えられますか?

相続税の申告・納税期限は、
「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内」

相続は、明確な
👉 期限つきの資金イベント
です。

問題は、資産運用が
「長期で育てること」だけを前提に設計されているケース。

  • 相場が下落している
  • 売却したくない
  • でも納税資金が足りない

この状況になると、
運用方針は相続によって強制終了します。

👉 運用の時間軸と、相続の時間軸が切れている
ここが最初の失敗ポイントです。


② 相続税は「現金一括」が原則

――流動性の確保は、相続対策そのもの

相続税は、原則として
現金で一度に納付します。

延納や物納は制度としてありますが、

  • 要件が多い
  • 期限内申請が必須
  • 使えないケースも多い

ため、あくまで例外的手段です。

ここで重要になるのが、
👉 「確実に、すぐ現金になる資産をどう確保するか」

この視点で見ると、
**生命保険は“相続対策と運用をつなぐ装置”**になります。


③ 納税資金対策としての生命保険という考え方

生命保険は、
「相続税が安くなる」「評価が有利」といった話だけが注目されがちです。

しかし、相続の現場で本当に役に立つのは、
相続発生後、すぐに使える現金を確保できることです。

相場の状況や売却判断に左右されず、
納税資金や当面の生活費を用意できる――
これこそが、生命保険の本質的な役割です。

相続実務で重要なのは、次の3点です。

  • 死亡後、速やかに現金化できる
  • 使途が自由(納税・生活費・立替清算など)
  • 相場の影響を受けない

生命保険金は、
👉 原則として請求後すみやかに支払われる現金
であり、
👉 相続税の納税資金として非常に相性が良い資金です。

つまり保険は、

  • 運用資産を「売らなくて済む」
  • 不動産を「慌てて処分しなくて済む」
  • 家族が「判断に迷わなくて済む」

ための、時間を買う仕組みだと言えます。


④ NISAなどの運用制度と、保険の役割は違う

NISAなどの税制優遇制度は、
資産を育てるための制度として非常に優秀です。

一方で、

  • 価格変動がある
  • 換金タイミングを選ぶ必要がある
  • 相続時の即時性は保証されない

という特徴があります。

ここで重要なのは、
👉 運用商品と保険は競合しない
👉 役割がまったく違う
という点です。

  • 運用:増やす・成長させる
  • 保険:守る・すぐ使える現金を用意する

相続対策と資産運用を一体で考えるとは、
この役割分担まで含めて設計することです。


⑤ 資産が散らばるほど、家族は手続で疲弊する

相続は、税金だけでなく
書類と手続の連続です。

口座・証券・不動産・保険が無秩序に散らばると、

  • 何がどこにあるか分からない
  • 解約・名義変更が進まない
  • 家族の精神的負担が増える

という現実が生じます。

生命保険は、
👉 「このお金は何のためか」が家族に伝わりやすい
という点でも、
相続実務に向いています。


まとめ|「増やす・備える・引き継ぐ」を分けない

相続対策と資産運用を分断すると、

  • ① 10か月という期限
  • ② 納税資金の不足
  • ③ 売却・判断の強制
  • ④ 家族の混乱

が連鎖的に起こります。

だからこそ必要なのは、

  • 運用で資産を育て
  • 保険で時間と現金を確保し
  • 家族が引き継ぎやすい形に整える

という一体設計です。

これは節税テクニックではなく、
👉 家族が「困らない相続」を実現するためのリスク管理です。


せと行政書士事務所ができること

せと行政書士事務所では、
相続・資産・保険・不動産を
バラバラに扱わない設計を行っています。

  • 相続を見据えた資産全体の整理・見える化
  • 納税資金・生活資金を意識した保険活用の整理
  • 運用資産・不動産を「守るための相続設計」
  • 遺言・任意後見・家族信託など法制度の組み合わせ
  • 相続発生後の実務を見据えた事前設計

「運用はしているが、相続まで考えきれていない」
「保険が本当に役に立つ形になっているか不安」

そんな方こそ、早めの整理が家族を守ります
どうぞお気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

瀬戸 孝之
瀬戸 孝之資産トータルアドバイザー
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。