―違い・メリット・選び方を専門的にわかりやすく解説―

遺言書は「家族を守るための最後の意思表示」

人生の最期に残す大切なメッセージである遺言書
自分の財産を「誰に」「どのように」引き継ぐかを明確にしておくことで、相続トラブルを未然に防ぐ重要な役割を果たします。

しかし、いざ遺言書を作ろうとすると、

  • 公正証書遺言と自筆証書遺言、どちらがいいの?
  • 費用や手続きはどれくらい違う?
  • 無効になるリスクは?

と迷う方が少なくありません。

本ページでは、
公正証書遺言と自筆証書遺言の違い・メリット・デメリット・選び方を、わかりやすく整理して解説します。


自筆証書遺言とは|手軽に作れるが注意点も多い遺言方式

自筆証書遺言とは、民法第968条で定められた遺言方式で、
遺言者が

  • 全文
  • 日付
  • 氏名

自ら手書きし、押印することで成立します。

法務局による「自筆証書遺言書保管制度」

令和2年7月10日から、法務局で遺言書を保管できる制度がスタートしました。
これにより、自宅保管だけでなく、公的機関での安全な保管が可能になっています。

自筆証書遺言のメリット

  • 証人不要で作成できる
  • 紙とペンがあれば、いつでも作成可能
  • 費用がほとんどかからない
    • 自宅保管:無料
    • 法務局保管制度:3,900円

自筆証書遺言の注意点・デメリット

  • 財産目録を除き、全文を自書する必要がある
  • 訂正方法が非常に厳格
    • 方式を誤ると遺言自体が無効になる可能性
  • 法務局保管制度では
    • 内容の審査・助言は一切行われない
  • 自宅保管の場合
    • 紛失・改ざん・隠匿のリスク
    • 相続開始後に家庭裁判所の検認手続が必要

公正証書遺言とは|最も確実性が高い遺言方式

公正証書遺言は、民法第969条に基づき、
**公証人(法律の専門家)**が作成する遺言です。

遺言者が公証役場に出向き、証人2名の立会いのもと、
遺言の内容を公証人に口述し、公証人が法律的に整理して文書化します。

※高齢や病気などで出向けない場合は、公証人の出張も可能です。

公正証書遺言のメリット

  • 公証人が関与するため、方式不備による無効のリスクが極めて低い
  • 法律的に正確で、相続トラブルを防ぎやすい
  • 原本は公証役場で保管
    → 紛失・改ざん・破棄の心配がほぼゼロ
  • 家庭裁判所の検認が不要
  • 手書きできない方でも作成可能
  • 遺言内容を確実に実現しやすい

公正証書遺言のデメリット

  • 財産額に応じた手数料が必要
  • 証人2名が必要(完全な秘密にはできない)
  • 公証役場への出頭や日程調整が必要
  • 作成までに一定の時間と手間がかかる

公正証書遺言と自筆証書遺言の違い【比較ポイント】

作成方法

  • 自筆証書遺言:全文を自分で書く必要あり(ただし財産目録は自筆不要)
  • 公正証書遺言:公証人が法律的に整理して作成

無効リスク

  • 自筆証書遺言:方式不備で無効になる可能性あり
  • 公正証書遺言:無効になる可能性はほぼなし

保管の安全性

  • 自宅保管の自筆証書遺言:紛失・改ざんの恐れ
  • 法務局保管/公正証書遺言:安全性が高い

検認手続

  • 自宅保管の自筆証書遺言:必要
  • 法務局保管の自筆証書遺言/公正証書遺言:不要

費用

  • 自筆証書遺言:0円〜3,900円
  • 公正証書遺言:数万円程度
    • 例:財産5,000万円 → 約33,000円(基本手数料)

結局どちらを選ぶべき?|ケース別の選び方

公正証書遺言が向いている方

  • 財産が多い・不動産など構成が複雑
  • 相続人間のトラブルが予想される
  • 法的に確実な遺言を残したい
  • 高齢・病気で手書きが難しい
  • 費用よりも安心・確実性を重視したい

自筆証書遺言が向いている方

  • 財産がシンプルで内容が明確
  • 費用をできるだけ抑えたい
  • 内容を完全に秘密にしたい
  • 暫定的に遺言を作り、後で見直す予定がある
  • 法律知識があり、正確に作成できる

※自筆証書遺言を選ぶ場合は、
法務局の遺言書保管制度の利用をおすすめします。


まとめ|大切なのは「自分に合った方式」を選ぶこと

公正証書遺言と自筆証書遺言は、どちらも法律上有効で、優劣はありません。
重要なのは、それぞれの特徴を理解し、自分の状況に合った方法を選ぶことです。

  • 確実性・安全性を最優先 → 公正証書遺言
  • 手軽さ・費用重視 → 法務局保管の自筆証書遺言

遺言は、家族への最後の大切なメッセージです。
形式不備や内容の曖昧さが、かえって争いを招くこともあります。

公証役場や法務局の無料相談、そして専門家のサポートを活用しながら、
後悔のない遺言書作成を進めていきましょう。

せと行政書士事務所ができること

―遺言書作成を「作って終わり」にしません―

遺言書は、書けば安心ではありません。
実務の現場では、

  • 内容が抽象的で実行できない
  • 相続人の事情を考慮できていない
  • 他の制度(後見・信託・保険・不動産)と整合が取れていない

といった理由で、**「せっかく作った遺言が活かされない」**ケースを数多く見てきました。

せと行政書士事務所では、
単なる書類作成ではなく、相続全体を見据えた遺言設計を行っています。

当事務所のサポート内容

  • 公正証書遺言・自筆証書遺言の適切な方式選択のアドバイス
  • 財産内容・家族関係を踏まえた遺言内容の整理
  • 公証役場との事前調整・文案作成サポート
  • 自筆証書遺言を選ぶ場合の法務局保管制度の活用支援
  • 将来の認知症リスクを見据えた
    任意後見・家族信託・死後事務委任との組み合わせ提案
  • 不動産を含む相続についての実務目線でのアドバイス

行政書士としてだけでなく、
相続・不動産・お金を横断的に見てきた実務家として、
「今だけでなく、その後まで困らない設計」を重視しています。


こんな方は一度ご相談ください

  • 公正証書遺言と自筆証書遺言で迷っている
  • 自分の場合、どちらが本当に合っているか知りたい
  • 遺言だけで足りるのか不安
  • 子どもや家族に、できるだけ負担を残したくない
  • 将来の認知症・介護も含めて考えたい

「まだ作るか決めていない」という段階でも問題ありません。
相談したから必ず依頼しなければならない、ということは一切ありません。


まずはお気軽にご相談ください【初回相談30分無料】

遺言は、早すぎて困ることはありませんが、遅すぎると選択肢が減ります。
少しでも気になったタイミングが、考え始めどきです。


せと行政書士事務所
📞 06-4400-3365
大阪を拠点に、相続・遺言・認知症対策を総合的にサポートしています。

投稿者プロフィール

瀬戸 孝之
瀬戸 孝之資産トータルアドバイザー
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。