~見落としがちな5つの落とし穴と今からできる対策~

増え続ける「老後資金不足」という現実

「老後資金は年金があるから大丈夫」
そう思っていた方が、実際に老後を迎えてから生活に行き詰まる――いわゆる「老後破産」は、決して珍しい話ではありません。

過去に報じられたデータでは、65歳以上の高齢者約3,200万人のうち、およそ16人に1人が老後破産状態にあり、独居高齢者では3人に1人が経済的に困窮しているとされています。この傾向は現在も大きく改善したとは言い切れません。

せと行政書士事務所の相談現場でも、
「自分は平均的だと思っていた」
「普通に働いてきたつもりだった」
という方ほど、老後資金の不足に直面して戸惑われるケースが多く見られます。

老後資金が足りなくなる家庭には、実は明確な共通点があります。ここでは、特に見落とされがちな5つの落とし穴を整理します。


共通点① 現役時代の固定費が高すぎる

老後資金不足の最大の原因は、現役時代の家計構造にあります。中でも影響が大きいのが固定費です。

代表的なのが、定年後も続く住宅ローンです。
退職金をローン返済に充てることで、老後資金の原資が大きく減ってしまうケースは少なくありません。

また、高齢出産世帯では、定年後も教育費の負担が続くことがあります。大学在学中の子どもがいる場合、年金生活に入っても支出がほとんど減らない状況が続きます。

賃貸住宅に住み続ける場合も注意が必要です。老後も家賃の支払いが続くため、年金だけで生活するのは容易ではありません。
一方、持ち家であっても、固定資産税や修繕費、マンションの場合は管理費・修繕積立金が継続的に発生します。


共通点② 家計管理ができておらず「見える化」されていない

老後資金が足りない家庭では、家計の全体像が把握できていないことが多く見受けられます。

特に夫婦別財布の世帯では、
「それぞれが貯めているはず」
という思い込みが、実際には準備不足という結果につながることがあります。

月々の収支を把握せず、クレジットカードの請求額を見て初めて支出の多さに気づく――こうした生活を続けていると、貯蓄は増えません。

また、現役時代の生活水準をなかなか下げられない方も要注意です。収入が減っても支出を変えられず、貯蓄を急速に取り崩してしまうケースは非常に多いです。


共通点③ 貯蓄の習慣がない、または極端に少ない

金融経済教育推進機構の調査によると、60代でも単身世帯の約3割、二人以上世帯の約2割が金融資産を保有していないとされています。

40代・50代でも状況は深刻で、「収入があるうちに貯める」という習慣が身についていない世帯は少なくありません。

ボーナスが出るたびに使い切る、昇給と同時に生活水準を上げる――こうした行動を続けていると、定年を迎えても老後資金が十分に準備できていない状態になります。

特に自営業や非正規雇用中心の方は、年金額が低くなりがちで、退職金もないケースが多いため、より早い段階からの備えが不可欠です。


共通点④ 想定外の支出に備えていない

老後には、想定していなかった支出が発生します。
医療費や介護費用はその代表例です。

介護が必要になれば、在宅サービスや施設利用で月数万円から数十万円の負担が生じることもあります。

また、熟年離婚も老後資金不足の大きな要因です。
離婚により世帯収入が分かれ、年金も分割されることで、特に女性は経済的に厳しい状況に陥りやすくなります。

さらに、親の介護や子ども・孫への経済的支援が、老後の家計を圧迫するケースも少なくありません。


共通点⑤ 社会的孤立と情報不足

老後資金に困る方の多くに共通するのが、社会的孤立と情報不足です。

相談相手がいない
制度を知らない
公的支援を活用できていない

こうした状況が重なることで、本来受けられる支援を受けられず、自己負担が増えてしまいます。

また、金融知識がないまま退職金を受け取り、インフレによる資産価値の目減りに気づかないケースも見受けられます。


今からできる老後資金対策

老後資金対策の第一歩は、家計の見える化です。
月々の収支を把握し、固定費を見直すことから始める必要があります。

「収入-貯蓄=支出」という考え方で、先に貯蓄を確保する仕組みを作ることも有効です。
NISAやiDeCoなどの制度を活用した長期的な資産形成も、老後資金準備の選択肢となります。

また、健康であれば、できるだけ長く働くことも重要です。
在職老齢年金制度の見直しにより、働きながら年金を受け取りやすい環境が整いつつあります。


結論:老後資金の不安は「早く気づいた人」から解消できます

老後資金が足りなくなる家庭には、明確な共通点があります。
しかし、それらは今からの行動で回避できるものばかりです。

「自分は大丈夫」という思い込みを捨て、現実を知り、早めに備えること。
それが、安心できる老後への第一歩になります。


せと行政書士事務所からのご案内

老後資金の問題は、年金・介護・相続・住まいと密接に関わっています。
せと行政書士事務所では、老後資金の不安を制度と実務の両面から整理し、将来を見据えたご相談をサポートしています。

「老後のお金が足りるのか不安」
「何から考えればいいかわからない」

そう感じた段階でのご相談が、将来の安心につながります。
もし少しでもご不安でしたら、無料相談をご利用ください。

投稿者プロフィール

瀬戸 孝之
瀬戸 孝之資産トータルアドバイザー
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。