――子どもの未来資金を“制度イメージ”で準備するという新しい考え方
(大阪の行政書士&CFPがわかりやすく解説)
「子どもの教育費、どう備える?」
これは、多くのご家庭にとって長く続く悩みです。
学資保険、預金、児童手当の積立、そして投資。
選択肢が増えるほど、「どれが正解なのか分からない」と感じる方も少なくありません。
そんな中で注目されているのが、
**未成年(0〜17歳)を対象とした新しい非課税投資の枠として議論されている、いわゆる「こどもNISA」**です。
ただし、本稿で扱う内容は、
**金融庁が税制改正大綱に関する資料の中で示した「制度イメージ(案)」**であり、
正式名称や具体的な運用方法(金融機関での手続など)は、
今後の法令整備や制度設計を通じて確定していく点には注意が必要です。
金融庁資料では、こどもNISAの狙いについて、
次のような方向性が示されています。
次世代の資産形成を促進し、
長期・安定的な投資を通じて、
大学進学等、成人後のライフイベントに伴う必要資金を備えられるようにする
つまり、こどもNISAは
「大人向けの資産形成制度を子どもにも広げる」という発想にとどまらず、
家族全体の資金計画を制度の側から支えようとする考え方として位置づけられています。
こどもNISAとは?ひとことで言うと
金融庁資料上のこどもNISAは、
0〜17歳の間に、子ども名義で、非課税で積立投資(投資信託中心)を行える枠として整理されています。
NISA最大の特徴である
**「運用益が非課税」**という仕組みを、
子ども世代にも広げようとする制度イメージ、と考えると分かりやすいでしょう。
いつから始まる?【施行時期】
金融庁資料では、こどもNISAに関する説明の近くに
**「(令和9年~)」**との記載があります。
令和9年は西暦2027年に相当するため、
2027年以降を念頭に制度設計が示されていると読み取れます。
もっとも、これはあくまで
税制改正大綱ベースで示された制度イメージであり、
口座受付の開始時期や具体的な実務スケジュールまで確定した情報ではありません。
実際の取り扱いについては、
今後の法令・運用ルール、金融機関の案内を踏まえて
順次具体化していく点を押さえておくのが安全です。
制度の仕組みはシンプル【数字で整理】
金融庁資料の表では、
こどもNISA(制度イメージ)の枠組みが、次のように示されています。
- 対象年齢:0〜17歳
- 年間投資枠:60万円
- 非課税保有限度額(総額):600万円
- 投資対象:長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
ここで重要なのは、
「年間の上限」と「トータルの上限」が別に設定されている点です。
毎年60万円ずつ積み立てていくと、
最終的に600万円まで非課税で保有できるという設計が、
制度イメージとして示されています。

投資対象は投資信託中心
――個別株より「長期・分散」を重視
金融庁資料では、
こどもNISAの投資対象について
**「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」**とされています。
初心者目線で整理すると、次のようになります。
安心材料
- 個別株に比べ、分散投資をしやすい設計になりやすい
注意点
- 投資信託でも価格は上下します
- 非課税=元本保証ではありません
「教育費に投資は不安」という声もありますが、
少なくとも資料上は、
ハイリスク商品よりも、長期・積立・分散を前提とした商品性が意識されています。
最大の改良点:12歳以降は条件付きで払出し可能
金融庁資料では、こどもNISAについて、
**「12歳以降において、子の同意を得た場合にのみ、
親権者等による払出しを可能とする」**と記載されています。
さらに脚注では、払出しの要件として次の点が示されています。
- 資金の使途が子のためであること
- 子が払出しに同意したことを示す書面
- 親権者等(口座管理者)が申出書を金融機関に提出すること
つまり、自由に使える貯金ではなく、
「子どものために積み立て、必要なときに“子の同意”のもとで使う」
という、教育資金等を意識した制度イメージだと理解するのが適切でしょう。
18歳になったらどうなる?
【「自動的に移行」とされている点について】
金融庁資料の表には、
こどもNISAの欄に**「自動的に移行」**という文言が記載されています。
ただし、この資料だけでは、
- 具体的にどの制度へ移行するのか
- 移行時にどのような手続が必要になるのか
- 非課税枠の扱いがどう整理されるのか
といった運用の詳細までは読み取れません。
現時点で言えるのは、
18歳以降の取り扱いについて、制度として「自動移行」の方向性が示されている
という点までです。
家計目線でのまとめ
――向いている家庭・慎重に考えたい家庭
こどもNISAは魅力的に見えますが、
教育費は**「使う時期が決まっているお金」**でもあります。
向いている可能性が高い家庭
- 使うまでに十分な年数がある(乳幼児〜小学生)
- 毎月コツコツ積立できる
- 短期の値動きに過度に反応しない
慎重に考えたい家庭
- 数年以内に学費のピークが来る
- 価格変動を受け入れにくい
- 生活防衛資金がまだ十分でない
「制度が良い=すべての家庭に最適」ではありません。
必要な時期・金額という時間軸とセットで考えることが重要です。
出典(金融庁)
「令和8(2026)年度税制改正について
―税制改正大綱における金融庁関係の主要項目―」
https://www.fsa.go.jp/news/r7/sonota/20251226-2/01.pdf
大阪で教育資金・将来設計を考える方へ
教育資金と将来設計を、制度だけで終わらせないために
こどもNISA(制度イメージ)は、
教育資金や将来資金を考えるうえで、ひとつの有力な選択肢になり得ます。
しかし実際には、
- 教育費をいつ・いくら使うのか
- 預金・保険・投資をどう組み合わせるのか
- 将来の財産管理や相続とどうつなげるのか
といった点を、ご家庭ごとに整理しなければ判断できないのが現実です。
制度はあくまで「枠組み」にすぎません。
大切なのは、その制度がご自身の家計や将来設計に合っているかどうかです。
せと行政書士事務所では、
教育資金・家計設計・将来の財産管理や相続までを一体で捉え、
制度に振り回されないための整理と考え方をお伝えしています。
「今すぐ使うかどうかは決めていない」
「制度の全体像だけ、専門家の視点で確認したい」
そんな段階からでも、お気軽にご相談ください。

― せと行政書士事務所 ―
(大阪市北区、CFP、1級FP技能士在籍)
投稿者プロフィール

- 資産トータルアドバイザー
-
せと行政書士事務所、代表。
行政書士、CFP、FP 1級技能士、宅地建物取引士、家族信託専門士、一種外務員を保有。シニア世代の悩みをワンストップで解決する事務所として、FP、不動産売買、終活、相続対策など、トータルサポートを提供している。
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